最後には、ツインレイの君は私に会いたくなる。
ツインレイの期間、私はこれからの人生についてを考えていたような気がする。
私はこれからどのような人生を歩みたいのか。これからどのような人たちと関わっていきたいのか。
これから、私は彼とどのような人生を歩んでいきたいと思っているのか。
彼は出会ったとき『忘れてしまうのは何故』といっていた。
私は『生きているからだよ』と答えた。
生きているから、私たちは忘れていく。
私は、このサイレント期間に『命』を吹き込む。命を吹き込むとは時間を取り込むと言うことだ。
私と彼は、ツインレイの期間のことをよく覚えていない——。だけど、心だけが記憶するような、そんな期間とするつもりだ。
私たちの経験は稀有なものだろう。だけど、その経験を私たちは『価値があるもの』と定義するつもりもないし、誰かにこの価値を提供したいとも思っていない。
ただ、そんなこともあったと過去の経験とし、前に進んでいこうと思っている。
私たちは、いっしょにいない期間で『時間を止めていた』と思う。
もちろん、リアルタイムでは時間が進み、私たちは二年ほどの期間を要して、ふたりで心の邪を暴きあうような関係性だった。
この期間で行った、お互いの疑いは確かに『意味がないこと』だったようである。
私たちは悪魔の証明を行っていた。邪が無いことを証明しようとしていた。
もっとも、ないものをないと証明することはできない。そんなことを私たちは行っていた。
だけど、悪魔の証明のなかで『悪魔がいること』を証明してしまった人たちもいたことは確かだったんじゃないかと思う。
悪魔の証明をしようとしていた期間のことを、私は忘れていく。
けっきょく、その証明そのものが無意味だったからである。
ないものはない。だけど、私は同時に、なかったからこそ、そこに心を見つけることが出来た。
私たちは心の証明を行っていた。魔がなければ、そこには心があったのである。
君は私に会いたくなる。
私の人生をたどって、最後は私に会いたくなるよ。
私の悔しさと、私の努力と、私の葛藤を知った君は、最後に私に会いに来る。
なぜ私が笑えるのか、その裏側を知ることになっただろう。
私は君がどうして『そう』なのかを心で理解したよ。
だけど、私はどうして君が『そう』なのかについて書きたいとは思わない。
言語化をしたいと思わない、分析もしたくない。
私と君のふたりだけの秘密にしておきたい。ただ、愛おしい心の通う人生だったとだけ書いておこうか。
このすべてが終われば、君は私に会いたくなる。
会いたくて、会いたくて、堪らなくなるだろう。
だって愛おしいから、そのすべてが。
一生懸命に生きてきた心からの人生を想うとき、私たちは会いたくなる。
そして理由のない涙を流したい。
何もない——空っぽの私を許してくれてありがとう。